2008年9月22日月曜日

[海外]キューバ農業大打撃

本日の朝日新聞から。
巨大ハリケーン、グスタフ(8月上陸)とアイク(9月上陸)の影響でバナナ畑約5万3千ヘクタール、サトウキビ畑約15万6千ヘクタールが浸水などの被害を受け、タバコ、コーヒーなど主力産品への影響も大きい。
住宅は約32万棟が全半壊。被害額は50億ドルと推計とか。

キューバといえば、知る人ぞ知る有機農業大国。
今後の動向が気になります。


■同夕刊の連載『にじんだ星をかぞえて』(上原隆)では青森のりんご農家の話が。
6月に雹害を受けたりんごだが、表面の傷を取れば食味には影響がないという。
毎年のように自殺者が出ているりんご農家。

来週のつづきで希望は見えるのでしょうか。

2008年9月20日土曜日

[ニュースとか]安値だったり、モカが飲めなかったり

前回の農耕起源の社会を語ると原始共産制になるような…。
あらためて書くかは熱も冷めたのでもうちょっと熟考します。


■全国農業新聞は野菜の安値の話とか。
19日、北海道内の空知管内南幌町で25トンのキャベツが廃棄されてます。
全国でキャベツの緊急需給調整を実施された関係でしょうが、これで9月中旬に全国で7145トンの出荷を停止し一部は学校給食とか有効利用を探っていたようですがなかなか全量は…。

他は、中国のメラミン入り牛乳とか相変わらず毒入り食品の話題。

■そんななか、エチオピアからのコーヒー豆が輸入停止になっているのをご存知でしょうか?ただこれについては中国とは少し事情が違う様子。

→http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/05/h0509-6.html

殺虫剤の成分が検出されたようなんですが、この値がちょいと難しい。
判断の基準となる値は、2006年5月29日から施行された食品残留基準のポジティブリスト制度になったことで設定された一律基準値が適用されているようです。

この一律基準値には少し説明が必要でしょうか。

従来の制度(ネガティブリスト制)では、残留基準値が設定されていない場合には、いくら残留していても規制はありませんでした。

実際にどれくらいの比率かというと…
1)全世界で食用作物に使用される農薬数が約700
2)国内で食用作物に使用される農薬数が約350
3)食品衛生法による残留農薬基準が設定されている農薬数は約250
1)-3)で約450の農薬が流通規制がなかったわけです。

「ポジティブリスト対策情報」
→http://www.agri.zennoh.or.jp/hiyaku/positivelist/

食の安全にとってはいい話なわけですが、そう簡単に基準値が設定できるわけでもありません。コーデックス規格や海外の残留基準値をもとに暫定基準も設定されましたが、それでも設定されなかったものについては、一律基準値として0.01ppmが「人の健康を損なうおそれのない量」として設定されているわけです。

悪いことではないようですが、問題のある例として以下のようなことが考えられます。

ある農薬の残留基準値がAという作物で0.2ppm、Bという作物で0.02ppmだった場合、0.01ppmという一律基準値は妥当かもしれません。
しかし、Aという作物で2ppm、Bという作物では3ppmだった場合、0.01ppmという値は数百倍の厳しさになります。

今回のエチオピアのコーヒー豆がこの後者のようです。
ヨーロッパの基準ではクリアできているようなんですよ。

コーヒー業界の働きかけが弱いのか、農水省の仕事が甘いのか。

エチオピア・モカの飲めない状況はしばらく続きそうです。


■9月13日、先週の朝日新聞で色平哲郎さんという佐久総合病院の医師の記事がありまして、そこで紹介されていた玉井袈裟男の「風のノート」から
「風は遠くから理想を含んでやってくるもの/土はそこにあって生命を生み出し育むもの/君が風性の人ならば土を求めて吹く風になれ」
土からすれば、あんまり強い風が吹いてもいい作物はできないんですけど…。
ま、茶々を入れるのが本意ではありません。好き勝手に吹く風よりは「土を求めて」吹く風は優しいとは思います。覚え書きとして。


昔、メールは一件、一内容と言われました。
こんなまとめ書きはマナー違反かもしれませんがついつい…ねぇ。

2008年9月7日日曜日

[ニュース]朝日新聞から

昨日は農関連の記事が目立った。
・「三笠フーズ(大阪市北区)が政府から工業用に限定された有害米を食用に転用していた」
・アメリカ穀物協会代表特別補佐エリック・エリクソンさんインタビュー
穀物高騰で米国の農家は喜んでいるでしょう。
「収入が増えるのはハッピーだが、農機を動かす燃料代や地価上昇で生産コストも上がっている。飼料高が畜産農家の経営に打撃を与え、飼育頭数を減らす動きが現れている。穀物相場が天候に加えて投機にも左右されることで、農業が今まで以上にリスクの高い商売になり、問題だ」など。
・異見新言 塩見直紀(半農半X研究所代表)
「若者帰農 農ある暮らしを元に生きる」
'04年に著書を読んだときと同様の意見。

さて昨日は市民農業大学に出かけてきました。
これは農家の畑を借りて、市民と野菜作りをするというもの。
先週はキャベツやブロッコリーの定植、ハクサイの種まき。今週はダイコンの種まきとコマツナ、ホウレンソウの種まき。
どうしても技術面の話になってしまいます。それでも天候に左右されることや種が外国から来ていることなども織り交ぜ、農業への理解を深めてもらっているわけですが、個人的には上のニュースの3つめ、「半農半X」など農業とは?という部分を考えてほしいと思っています。

狩猟起源の西洋社会が能力主義になるように、農耕起源の社会はまた別の方法を取れるのではないでしょうか?
この先は時間もないので次に…。